―兵庫県新温泉町浜坂で1人の男が、30年間「松林」を守ってきた.
1日も休むことなく、松林を掃き清めてきた男は生れたその土地をこよなく愛し、
白砂青松のこの光景を何とか残そうとしていた.
その松林に、町の人に来てもらおうとの彼の想いで
毎年1点ずつベンチを作って設置してきた.
その6点目、大きさと高さの違う3つのイチョウの腰かけ―、
座ると揺れる・・・、ユレル波の音・・・
ゆらゆらと、 ゆらゆらと、
―「 待ち受けし松の仙人、雷雲と 」―
( ・・・ and then ,they departed to west land. )
遠いむかし、私たちの棲みかだった森―
その樹々達に真森られて
私たちの祖先は、いのちをつないできた.
森から遠ざかってしまったいま、わたしたちは
封じ込められた森の記憶の中から
〈 森のいきもの 〉達の声が聴こえるだろうか?
―( 7/24~8/22 あおや和紙工房 )―