2017年7月11日
木工作品と和紙融合 山ノ内さんが「木霊展」
木工作家の山ノ内芳彦さん(61)=大山町西坪=による木工作品と和紙を融合させた「木霊展」が、鳥取市青谷町山根のあおや和紙工房で開かれている。木の生命力やぬくもりを感じさせる作品23点が並び、来場者を癒やしている。
樹齢400年の潮止め松のオブジェなど生命力を感じさせる作品を手掛ける山ノ内さん
山ノ内さんは30年前に東京都からUターンし、木工作家に転身。「生きている木は大事にされるけど、枯れてしまった木は相手にされない」。チェーンソーやカンナを用い、不要になった庭木や工事で伐採された木、形がいびつで買い手がつかない木を生かそうと制作に励んでいる。
手掛ける木は主に樹齢100年を超えるような大木で「形は木を触りながら、目の前の木と対話するようにしながら決まる」という。その手にかかれば、南部町の神社にあった推定樹齢600年のシイの木は重厚な椅子に、曲がった松は寝心地のよいベッドになるなど、家具や木工作品に様変わりする。
存在感を放つのが、かつての米子市指定天然記念物で7年前の記録的豪雪の被害に遭った樹齢400年の「潮止め松」。米子駅に設置したベンチに続く2作目となるオブジェは、直径110センチの空洞化した幹の内側に枝の根元が見え、底に和紙を張って点灯。生命力を感じさせる力作だ。
「私自身が木に救われ、鼓舞されてきた。長寿の木が持つ生命力、木の命の不可思議が伝われば」と山ノ内さん。29日には山ノ内さんによる灯(あか)り作りワークショップも行われる。展示は9月3日まで。(藤田和俊)
http://www.nnn.co.jp/news/170711/20170711039.html
https://www.youtube.com/watch?v=0qSsDkX27bQ